今回は、MinatoryというDubstepのサブジャンルについてです。
簡単に説明するとダークなアンビエントと共に鳴らされる重いノイズベースが主体のサブジャンルです。
このアーティクルでは、God Hand Collectiveの創始者であり、Minatory界の重鎮として現在も活動中、また僕(執筆者Killrina)の良き友であるINFLUXに対してインタビューをしながら、Minatoryというジャンルがどういうものなのか掘り下げて紹介していきたいと思います。
INFLUX にインタビュー
それではまず自己紹介をお願いします!
INFLUXだよ。アメリカ、南カルフォルニア出身でPhotoshopをなんにでも使うよ笑。
いつ頃、またどうして曲作りを始めた?
2013年頃から曲を作り始めた。
始めた時は特になにか目的があったというわけではなくて、なんとなく作曲に手を付けたらうまくできそうだったから始めたんだ。
影響を受けたアーティストを教えて。
いろんなジャンルの音を聞くから毎回違うんだけど、現在であればFleshwater, Whirr, Have A Nice Life, Joey Valence & Brae, Terror Reid, Fred Again…, HEALTH、かな。
INFLUXは本当に多種多様な幅広い音楽のジャンルを聞いてるイメージがあるな…
僕も自分が印象に残っていて研究したい曲のジャンルがわからなくて困ったときに彼によく聞きにいったら、知りたかったジャンル+そのサブジャンルのサブジャンルぐらいまで一気に教えてくれるぐらい、なんでも知ってる人だよホントに!
INFLUXは、Minatoryのジャンルの界隈でも昔から長い間活動しているよね。このジャンルの過去について教えて。
正直に言うと、音は変化したが、いる人は本当に変わってない。俺はこのシーンで同じタイプの人々を何度も見てきた気がするよ。音に関しては、以前はメロディックな内容が少なく、アンビエンスが強い、より前面に出るようなサウンドだった。
今はその逆で、ダンジョンシンセというジャンルから取り入れたメロディックな内容が多く、ノイズはより抑えられ、少し丸みがある感じなんだよな。言っていることが伝わっているといいけど笑。
Minatoryのジャンルとは、あなたにとってどういう意味を持っている?
Minatoryとは俺にとって、ノイズ系により特化したDubstepのサブジャンルで、まるで普通のDubstepのグロウルベースをジュースミキサーにかけてボロボロになったような音をめちゃめちゃダークなアンビエントを周りにかけた感じかな。
God Hand Collectiveを創設した動機はなに?
GxHxC[略称]ができたきっかけとして、以前所属していたPlague Born/Legionの解散があった。それと、レーベルって普通はデモ曲をもらってその中から送ってきたアーティストを採用してリリースがあるのと、ジャンルもほぼ固定していることが多いと思うんだけど、GodHandを創設するときにそう言う概念を一切なくして、自分の周りの友達のアーティストのやりたい音楽をMinatoryだけとは言わずになんでも、好きなタイミングでリリースできる環境がほしかったという理由がある。まぁ、CASUALITYはちょっと違って、俺の方からみんなを揺すり起こして曲を作ってもらった感じだったけどね笑。
God Hand Collectiveとして初めてのアルバムリリースとなる”Casuality vol 1“がでたけど、これはどういうアルバムなのかな?
この”CASUALITY”のアイデア自体は、個人的に数年間ずっと考えていたことだったんだけど、なかなかいいタイミングに恵まられなかったから実現することができなかったけど、やっと形にすることができたアルバムなんだ。このアルバムは、ハードコアな音楽かアニメ/漫画[特にベルセルク。レーベル名ゴッドハンド(神の手)の元ネタもそこから]に共通の嗜好があるアーティストを集めたコンピレーションとなっている。もし、反響があれば、後にもいくつか続きのアルバムを出していきたいかな。
光栄にも僕も、僕がMinatoryの好きな部分を詰めた一曲を作り、このアルバムに参加しています!
出ているアーティストはみんなベテランで、また別で紹介する予定のPlague Born/Legionのレーベルや、Interval Audioからも名前をみたことがある人もいて、最近浮上している若手のアーティストとはまた一味違った年季の入っているハードな音と、最新のMinatoryの雰囲気を一気に味わえる作品となっています!無料ダウンロードできるので是非聴いてみてね!!
今後のプランと将来的になにか考えていることはある?
まずはこのアルバムがうまくいくことを願っているのと、今年初頭にメンバーのEPをいくつか出せたら良いかなと思ってるな。
日本でも、アンダーグラウンドジャンルの音楽には熱狂的なファンがついていて何人か名が知れ渡るくらい有名になっていることもあると思う[Merzbowさん等]。
ヘビー系のDubstepに関しては、例年に比べると少しづつ人気がでてきているが、まだまだMinatoryやDeathstepはマイナージャンルであることに変わりがない。
日本でも近々このジャンルが流行るチャンスがあると思う?
流行る可能性は全然あると見込んでいるよ。もしそうなったらそれが俺を日本に連れて行ってくれる機会になってくれれば良いかな笑。あと、できればイベントも出たいね!
僕を含めて、DUBNEEZの記事や活動でがんばるよ!
Influxはずっとライブを日本で見てみたいと何年も前から思っていたし。
実現できるぐらいこのジャンルの曲を好きな人が少しでも増えてくれたらいいな。
最後に、ファンに向けてメッセージをどうぞ。
なんでも好きなものを作れ!
他者の意見は君が気にするまで意味を持たないぞ。
アツぅ…まじで最高です。
ありがとうございました!
INFLUX 各プラットフォーム
・執筆者について
Killrina、1997年生まれ、東京都渋谷区出身。Deadmau5、Skrillex、Bare Noize、MUST DIE!等のDubstepアーティストにインスパイアを受け2014年から作曲活動を開始。制作サブジャンルは主にTearout。2017年にレーベルInterval Audio[カナダ]から曲をリリース後、主にしばらくの間Interval Audioのメンバーとして曲を恒常的にリリース。現在はGod Hand Collective[アメリカ]のレーベルメンバーとして不定期に活動中。代表曲は、”Killrina – Necromancy“。