Sample、Samplingって?
まず、音楽におけるSamplingとは、作曲時に既存の音源から特定の部分(ドラムス、メロディ、ボーカルなど)を切り抜き、使用する手法です。音楽に限らず、映画やドラマ、アニメなど番組の音声なんかを切り抜くこともあります。
これら素材を総称してSampleと呼びます。
ただしこのサンプリング、注意が必要です。
たとえ作品の一部であっても、元の音源には著作権があり、使用する際には権利者の許可を得る必要があります。
プロデューサーが作曲ツールとして、ドラムス、メロディ、シンセループ、ボイスなどをまとめたSample Packを販売し、SNSなどで告知することもあります。
このサンプルの元ネタ知ってる?
様々な楽曲で耳にするサンプル。誰もが知っている有名なものから、プロデューサー本人しか知らないようなものまであると思います。このシリーズでは、Dubstepで使われているサンプルや声ネタをできる限り紹介していきますので、友達との話のネタにでもなれば幸いです。
1. BENZMIXER!!!™ – PSYCLONES 2015
【アニメ】未確認で進行形 [8話] “妹の悲しみをいやすのは、妹”
Savage Societyからリリースされた最初のEPであるSavage Selects Vol.1に収録されたBenzことBENZMIXERのトラックです。
イントロをフルに使ってセリフが並べられています。
Riddimに限らずアニメのセリフをサンプリングすることはよくあります。もちろん日本版だけでなく海外版を使うことも。ちなみにセリフは夜ノ森小紅(CV:照井春佳)、鹿島撫子(CV:佐倉綾音)、夜ノ森紅緒(CV:松井恵理子)、三峰真白(CV:吉田有里)の順番で使われています。
アニメでは18:15あたりから確認できます。ぜひ動画配信サービスなどでチェックしてみてください。
2. Spass – Hi Tek
【音楽】Cocoa Tea – Turn Off dem Sound deh
同じくSavage Selects Vol.1から
今や「Riddimの代表曲は?」と聞かれれば、必ずと言っていいほど名前が挙がる名曲、Hi Tek。
そしてこれまたよく耳にする”SOUND BOY!!!“の声は、ジャマイカを代表するレゲエアーティスト(ボーカル兼ソングライター)のCocoa Teaです。
Dubstepの遠縁ということもありレゲエからのサンプリングは多いです。今後も複数紹介されると思います。
ちなみに”SOUND BOY“はDoctor P – Take Me AwayやLeotrix – Sick Buddiesなどでも使われています。
3. SUBFILTRONIK!!!™ – ANDROID (2013)
【ゲーム】ウェーブレース64 (パワーアップ時の音声)
Riddimといえばこの方、SUBFILTRONIK!!!™。
SPACE EP に収録されたANDROIDだけでなく同EP内のSPACE DROIDにも使われており、他のプロデューサーが彼の曲のRemixやVIP、Editをする際にも使うことがあります。

そんな”Maximum power!“という声は、任天堂が発売したゲームソフト「ウェーブレース64」で登場するレース実況者の声です。担当した声優はJohn Hulaton。
任天堂公式YouTubeチャンネルの動画から確認できます。
4. AYONIKZ – MYSTERONZ
【TV番組】キャプテン・スカーレット [3話] “鐘は13なった!”
英名:Captain Scarlet and the Mysterons (1967) [Episode 3] “Big Ben Strikes Again”
キャプテン・スカーレットはイギリスのSF特撮人形劇番組です。日本では1968年や1971年に地上波で放送されていました。
“Do you hear, Earthmen? We will destroy the city of London!”
これは3話冒頭にて、異星人ミステロンが地球侵略を予告する放送音声です。担当した声優はDonald Grey。
AYONIKZが作成したMysteronzには様々なバージョンがあり、公式にリリースされているものでは
などがあります。
余談ですが2022年にAYONIKZはSUBFILTRONIK、AKIRAHとRampageに出演しており、そこでプレイしたAYONIKZ – XTERMINATE MYSTERONZのクリップが先日、SoundCloudで公開されました。
5. Nexu5 – Torsion
【YouTube】Supa Hot Fire – The Rap Battle Parody (FULL VIDEO) [DeShawn Raw]
SIKE!の人で有名なNexu5が2018年にBewildered ProductionsでリリースしたEP、Blasterzに収録されたTorsionからの紹介です。
Nexu5に限らず様々なプロデューサーのトラックやEditのドロップ前、フェイクドロップの最後に使うSIKE!は、YouTubeチャンネルMrDESHAWN RAWが投稿したラップバトルのパロディ動画が元ネタです。
主人公のSupa Hot FireがB-Bone(T-Bone)とのバトルでラップ(のフリだったり)をすると、周りの人たちが爆発的なリアクションをするという有名ミームです。
“I broke up with my ex-girl, here’s her number… SIKE! That’s the wrong number!!“
“Ohhhhhhhhhhhhhhhhh!!!!!!“
“BOOM BAM BA BADA BA BOOM POW“
“Ohhhhhhhhhhhhhhhhh!!!!!!“
このSIKE!は「嘘だぜ!」や「騙されたな!」という意味のスラングです。なのでEditのドロップがフェイクで、全く違う時なんかに使われることが多いです。
一昨年、Torsion VIPを含めたLPがリリースされました。とんでもなくかっこいいフェイクドロップが特徴です。
今後も不定期でまとめて投稿しますので、気になるサンプルや声ネタがあったらリクエストもください!