Dubscribe
m-floのTaku Takahashi氏が開催した楽曲コンテストで優勝し、その優勝曲のリリースでデビュー。
その後、Dubstepの海外トップレーベルから多数の曲をリリースし、”Brainstorm EP“はクラブミュージック配信サイト最大手BeatportのDubstepチャートで1位を獲得した。
Dubstepシーンの世界ナンバーワンプロデューサーExcisionに2つのオフィシャルリミックスを提供したほか、国内においても浜崎あゆみ、MIGMA SHELTERなど様々なアーティストにリミックスを提供している。
また、コナミによるDanceDanceRevolutionやBEMANIなどの人気音ゲー、電音部などの人気プロジェクトにも楽曲提供している。
Excision, Downlink, Black Tiger Sex Machine, Funtcase, ATLiensなど多数の海外トッププロデューサーに楽曲がサポートされ、EDC LasVegasなど世界中の大規模フェスで楽曲が何度もプレイされている。
2022年、アメリカで開催される世界最大規模のベースミュージックフェスであるLost Landsに日本人として初めて出演した。さらに、2023年には日本人として初めてBass CanyonとLost Landsというアメリカで開催される世界的二大ベースミュージックフェスの両方に出演を果たした。
そしてなんと、今年秋にアメリカで開催されるLost Lands 2024のメインステージに出演することが決定しました!!
今回はそんなDubscribe氏に、DUBNEEZ管理人のTsuvasurが直接お会いしてインタビューしました。
Dubscribe氏のこれまでの経歴からExcisionとの馴れ初め、これまでのLost Landsに出たときの裏話など大ボリュームの内容となっています。
是非最後まで読んでみてください!!
Dubscribe氏にインタビュー
Dubscribeとしてアーティスト活動を始めた経緯
DUBNEEZ – Lost Lands 2024メインステージへの出演決定おめでとうございます!
早速ですが、曲作りやアーティスト活動を始めた経緯を教えてください。
Dubscribe – 元々バンドでギターをやっていたんですけど、バンドという形態に疲れて、1人でもできる音楽をやろうと思ったのがきっかけです。
2010年くらいにいろいろなジャンルの音楽をミックスしたポッドキャストを聴いていて、そこでDubstepというジャンルを知って、カッコいいなと思う曲をメモして書き出してみたら、ほとんどExcisionやRottun Recordings(Excision主宰のレーベル:現在は終了)の曲で「これだ!」となって、いつか自分もRottun Recordingsからリリースしたいと思ってDubstepを作り始めました。
ちょうどRottun RecordingsからAjapai先生(日本人アーティスト)のEPがリリースされた頃でしたね。
本格的にDubstepを作り始めたきっかけは、 m-floのTaku Takahashiさんが当時やっていたレーベルがRemixコンテストを開催していて、初めて見様見真似でDubstepを作って応募して優勝したことでした。
DUBNEEZ – それがきっかけだったんですね!
「Dubscribe」というアーティスト名の由来は何ですか?
Dubscribe – 名前の由来は、さっき話したRemixコンテストに応募するために仮につけたのがきっかけです。
今までは趣味程度でテクノやエレクトロ、アブストラクトヒップホップ等を作っていたけど、誰かに聴かせたりせずに家で一人で遊ぶように曲を作っていたのでアーティスト名が無かったんですよ。
だけどコンテストに応募するから決めなきゃってなって。
その頃英語を勉強していたら「Subscribe」という単語が出てきて、SをDに変えたら「Dub」になるな・・・じゃあDubscribeで!」とその場の思いつきだけで決めました。
どうせ仮の名前だし、この名前で世に出ることなんてないと思 っていたので・・・
DUBNEEZ– そんな経緯があってその名前になったんですね(笑)
僕的にはパッと見て「この人はDubstepやってる人なんだな」と名前を見てすぐに分かるので良いと思いますよ!
Excisionとの交流話
DUBNEEZ – そこから2014年にRottun Recordingsからリリースするまでの経緯を教えてください。
Dubscribe – 僕がDubstepを初めた頃、日本でDubstepをやってる人は 全くいなかったので、その時既にRottun RecordingsからリリースしてたAjapaiさんにダメもとでメールを送ってみたんです。
「Dubstepやってる日本人です。曲聞いてください!」という感じで。
返事なんて来ないだろうと思っていたらあっさり返事をいただけて、その後何度かメールでやりとりをさせてもらいました。
そのやり取りで「Dubstepをやっていくなら日本からじゃなくて最初から海外を目指した方がいい」とアドバイスをもらったんです。 そのアドバイスを受けて、最初から海外リリースを目指して活動を始めました。
そしてRottun Recordingsからリリースする前に、他の海外レーベルから頑張って何回かリリースをしました。
Rottun Recordingsはレーベルとしてはデモを応募していなかったので、FacebookでExcisionのマネージャーっぽい人のメールアドレスを見つけて、何回か定期的にデモを送ってみました。だけど何の返事も無いし聴いて貰えなかったです。
けれど1年後くらいに突然そのメールアドレスから「EPを出さないか?」と連絡が来て、手持ちの曲を全部送ってEPのリリースが決まりました。
実際にリリースされるまで、連絡が来てから1年以上も経っていて「騙されてるんじゃないのかな」と不安でした(笑)
そこからRottun RecordingsからはEPを2回、その間にはDownlinkが主宰するUplink AudioからもEPをリリースしました。
DUBNEEZ – Dubstep作り始めてから3年で目標を達成して凄いですね!
その頃からExcision本人とは親交があったのですか?
Dubscribe – 2014年にRottun Recordingsからリリースした頃は、SNSはExcisionにフォローされたけど、リリースのやり取りはマネージャーとしていたから、Excision本人との交流はまだ無かったです。
その後2017年くらいに、Definitive(アメリカのDubstepプロデューサー:2度来日公演済)から、
「この前Excisionと会ったらDubscribeの話をしてたよ!連絡先教えようか?」
と連絡が来て、そこからExcision本人と交流が始まって、直接曲を送ってプレイしてもらったりしました。
自分のキャリアの中で転機となったのが、Excision & Space Laces – 1 on 1のBootlegを作ってTwitterに動画を載せたら本人から「Lost Landsで使うから送ってくれ!」とメッセージが来て、実際にLost Landsでプレイしてもらえたことです。
2019年のEDC JAPANでExcisionが出演した際に、実はステージ裏に招待してもらって初めてExcision本人と会いました。
その数日後にExcisionから「1 on 1のリミックスをLost Landsのコンピレーションで出さないか?」と連絡がきて、当然OKしました。
そして、その数ヶ月後に”1 on 1(Dubscribe Remix)”がLost Lands Compilation 2019に収録されて公式リミックスとしてリリースしました。
国内外問わずこの1 on 1 Remixをきっかけで僕のことを知ったという人が本当に多いので、このRemixは僕のキャリア、人生を大きく変えた一曲だと思います。
僕はExcisionを聞いてDubstepを作り始め、Excisionの曲を公式リミックスすることはずっと目標の一つだったので 、Rottun Recordingsからのリリースに続き目標を実現することができました。
その後もSubsidia(Exciosion主宰の現レーベル)でシングルやExcision & Downlink – Robo Kittyの公式リミックスをリリースしています。
僕は新曲がいくつかできるとExcisionのDJセット用にそれらをまとめて彼に送ってるんですが、ある日、新曲を送ったメールに対して「Robo Kittyのリミックスやらないか?」と返事が来たんです。
公式リミックスになった1 on 1リミックスは僕が勝手に作ったブートレグがきっかけでしたが、Robo KittyリミックスはExcisionからの直接のオファーだったので大興奮でした。
ただ、直接のオファーだったからなのか、完成までにExcisionから4回ほど修正指示とディレクションがあり、完成させるのが結構大変でした。それも今ではとても貴重な体験だったなと思います。
海外に行ったときの話
DUBNEEZ – 貴重なExcisionとの馴れ初め話ありがとうございます!
これまで2回Lost Landsに出演していますが、その時のお話も聞きたいです。
Dubscribe – Rottun Recordingsからのリリース、Excision の公式リミックスに加えて、Lost Lands出演も僕の目標ったのでずっと出たいと思っていました。そして、ようやく2022年にオファーが来ました。
アメリカのアーティストビザもギリギリで取れて何とか出れました。
会場に着いてすぐに、「YOU DUBSCRIBE!?」とテンション高めの来場者に声をかけられて写真を撮りました。
そしたら周りにいた人たちも僕に気づいて、僕と写真を撮るための20人くらいの列ができて衝撃でした(笑)
その後も会場内を歩いていると数分おきくらいに何度も声をかけられたり、写真を求められたりして嬉しかったですし、「アメリカ人が僕のことを知ってる」という事実に本当に驚 きました。
DUBNEEZ – 現地でも大人気で凄いですね(笑)
会場の雰囲気とかはどうでしたか?
Dubscribe – とにかく低音が凄かったです。
実際会場に着いたら吐きそうになるくらい低音が出ていてビックリしました。 それなのに音のバランスもとても良くて曲がしっかり聴こえることにも驚きました。 耳栓をしてなくても刺さるような高音で耳が痛くなったりすることも耳鳴りもありませんでした。
ただし、照明やレーザーの明るさや量が桁違いであまりに眩しすぎて初日で目が痛くなりました。
本場のベースミュージックのフェスでは耳栓ではなくサングラスが必須です(笑)
また、ベースミュージックという一つのジャンルでこれほどの規模のフェスができるという、アメリカのベースミュージックシーンの大きさに驚きました。
Lost Landsでは自分の出番の前にサウンドチェックや機材チェックができないのです。 なので、本番でUSBがちゃんと認識されるのか、ちゃんと音が出るのか内心かなりドキドキしていました。 1曲目の音がちゃんと出てからは緊張せず楽しんでプレイすることができました。
僕のセットに人は集まるのだろうか・・・?ととても不安でしたが、いざ始まると予想以上に多くの人が集まってくれ て、僕の音楽が本当にアメリカまで届いているんだなということを実感できて感動しました。
DUBNEEZ – 僕はまだ行ったことないのでいつか体験してみたいです!!
現地では他にどんな出来事がありましたか?
Dubscribe – アーティスト専用のホテルがあって、そこには出演するアーティストが勢揃いしていて、エレベーター乗ったらDownlinkがいて初めて会って話したり、洗濯しに行ったらSVDDEN DEATHがいたりで(笑)
ネットでしか交流したことないアーティストと会えて嬉しかったです。
僕がLostLandsに出演する前に来日公演で共演したKompanyやSullivan Kingが僕のことを憶えてくれていて声をかけてくれたのも嬉しかったです。
ホテルからLost Lands会場まではアーティスト送迎用バスが出るんですが、そのバスの発車時刻なるとホテルのロビー にDubstepのスター達が勢揃いしていて圧巻でした。
DUBNEEZ – 楽しそうで良いですね(笑)
Bass Canyonに出演された際のお話も聞きたいです!
Dubscribe – Bass Canyonはシアトルのアーティストホテルから車で5時間くらいかかる場所で開催していて移動が大変でした(笑)
でも周囲見渡す限り何もない渓谷で開催され、「これぞアメリカの雄大な大地!!」と言えるような大迫力なロケーションで、来れてよかったなと思いました。
Bass Canyonの直前くらいにシアトル在住でDubstep DJをしている日本人のKURONEKOという方と知り合いました。
彼はBass Canyonにローカルアーティスト枠で出演していて、シアトルから会場まで車で送迎してもらったり会場内で一緒に行動したりして意気投合しました。 その後、彼との繋がりでシアトルで僕のヘッドライナーイベ ントを開催することができ、その時に一緒にインタビューを受けたりしました。
DUBNEEZ – アメリカ在住の日本人でDubstepやってる人いたんですね!
全然知らなかったです…!
今度機会があれば僕もお会いしてみたいです。
今後の展望
DUBNEEZ – 今後の目標や展望を教えてください。
Dubscribe – 「Excisionのレーベルからリリースする」、「Excisionの公式リミックスをする」、「ExcisionのDJセットで曲がプレイされる」、「Lost Landsに出演する」という僕のDubstepプロデューサーとしての目標は運が良かったのか全て実現させることができました。
今後の目標は、Exicisionとコラボすること、ThunderdomeとUltra Japanのメインステージに出演することですね。 Thunderdomeは、Excisionが主催する2万人以上のキャパの巨大ドームで開催され、レーザー演出が一際すごい屋内レ イブです。
Lost Lands、Bass CanyonというExcision主催の二大ベー スミュージックフェスに出ることができたので、Thunderdomeも出演したいです!
Ultra Japanは、「日本の大きいステージでDubscribeさんを見たい!」と言ってくださる方が多く、その期待に応えられる1番のステージだと思うのでいつか出たいです。
DUBNEEZ – 両方とも実現できると良いですね!
僕は今回直接現地には行けないですが、日本から応援しています!
今後もDUBNEEZでイベントの開催も考えておりますので、その時は是非ともよろしくお願いします!
最後にLost Lands2024への意気込みをお願いします!
Dubscribe – 日本人プロデューサーがこれだけの大きな規模の海外のフェスに3年連続で出演し、ついにメインステージに立つことは快挙だと思うので、最高のプレイができるよう頑張ります!!